嘘です。
でもちょっと聞いて欲しい
ある日のこと。
Famiポートという機械に用事があり、私はファミリーマートへ行きました。
私が行ったファミマは、入口を入ってすぐ左に印刷機があり
印刷機の左奥にFamiポートが存在していました。（図１参照）
図１
入店してすぐFamiポートへ向かおうとすると
その時ちょうど印刷機を使っていたサラリーマン風の男性が
私の気配を察知したのか、こちらをバッと振り向き
動揺したように凝視してきました。
私は凝視されたことにビビり、凝視仕返しました。
見知らぬサラリーマン風の男性と見つめ合う最中
私の頭はフル回転していました。
そして、凝視されている理由について一つの結論を導き出しました。
「あぁ、印刷機に並ぼうとしていると思われているのだろうな」
この間、3秒ほど。
私は、「印刷機ではなくFamiポートに用事があるのです」
という意味を込めて男性に黙礼し
印刷機の奥にあるFamiポートの前を陣取りました。
Famiポートを操作するのが初めてだったため
どこのボタンを押すべきかおどおどしながら画面を見つめていると
「かわいいですね」
と、右隣にある印刷機の方から声がしました。
えっ…私？
私が？可愛いって、嘘でしょ？？（ドキドキ）
聞き間違いか、或いは他の人に声をかけたのかもしれないと思い
さり気なくあたりを見回したのですが、辺りには
Famiポートを使用している私と、印刷機を使用する男性しか見当たりません。
けれども私は、どうしても自分が声を掛けられたことに確信が持てず
もしも、ありがとうございます、と返答して
お前じゃねーよ、なんて言われたら恥ずかしさのあまり悶絶死してしまいますし
かといって無言を貫いて、相手を無視したように思われるのも感じ悪いですし
とりあえず、その中間くらいの返答をしてみようと思い
「えへへへ…」
という、”二次元風顔を赤らめつつ可愛い返答”をしました。
まぁ、私は三次元に存在する生き物なため、実際には
”薄ら笑いしつつ気持ち悪い返答”しかできなかったわけですが
咄嗟にどう答えればいいのか本当にわからなかったのです。
というか、Famiポートの画面内容が全然頭に入ってきませんでした。
すると、また右側から声がしました。
「結婚していますか？」
やっぱり今、私に聞いたのよね？？
「はい、（結婚）してます…」
「そうですか…」
あぁっ、やっぱり私に声を掛けてくれていたんだ…！
ちょっとガッカリしたような返答された！！
申し訳ないけれど嬉しい！
そんなことを思いながらFamiポートを操作し
Famiポートから出したクーポンを片手にレジへ向かうと、
既に印刷機を使用していた男性の姿はありませんでした。
帰り道
（私の脳内）
ナンパされるまでには至らなかったけれど
私も男性に声を掛けられたりするんだなー、嬉しい！
可愛いですね、だって！きゃー！！
結婚していますか、って聞かれた！
結婚していなかったら、デートにでも誘われていたのだろうか！
うすしお氏（旦那）が仕事から帰ってきたら自慢しよ！
結婚していますか、って聞かれたってことは
結婚しているように見えたのかしら！
…そういえば、
彼氏いますか？ではなく、結婚していますか？って聞かれたなぁ。
彼氏じゃなくて旦那がいるように見えたのかぁ。
私、結婚指輪してなかったのに。
どうして？
スーパーのレジ袋を腕にぶら下げているのが主婦っぽかったから？
それとも、レジ袋からセロリが飛び出していたから？
長ネギじゃなくてセロリなのに？
紙袋にフランスパンが飛び出ていたら
彼氏いますか、って聞かれていたのかな？
それとも単に、オバサンっぽく見えたから？
なんなの？悲しい！
喜んで損した！
それから
フランスパンを買って帰りました。
おわり。
