【3.体験談】巷で有名なICLを受ける話【感想(手術編)】

ドタキャンする度胸すらなく、手術まで至りました。 

結果的に私すごくない!? 

 

※↓前回のあらすじ

 

気がついたら手術日である

 

事前に頂いていた抗菌作用のある目薬を三日前から点眼しました。

 

その名も、

「ベガモックス点眼液0.5%」である。

 

よろしくね、ベガちゃん。

 

手術当日はお昼過ぎから手術予定だったため、

3日前の朝・昼・夜・就寝前

2日前の朝・昼・夜・就寝前

1日前の朝・昼・夜・就寝前

それから、当日の朝に点眼しました。

 

ベガちゃんにはだいぶお世話になりました。

 

36万円(!)のお金と、サイン済みの契約書と、ベガちゃんを持って

いざ出陣です。

 

病院へ到着 

 

不思議と緊張しない休日真昼間。

本日晴天也。

 

受付で名前を名乗ると、まずは待合室で点眼をお願いされました。

 

ベガちゃんの出番である。

 

点眼後、名前を呼ばれ

現金36万円(おつり有り)とサイン済み契約書を手渡しました。

一か月と立たず再び手元から消えていく大金に顔が能面になる私。

 

その後、契約書にハンコの押し忘れがあり、能面が赤くなる私。(←痛恨のミス①)

 

そんなこんなで受付を済ますと、ここから怒涛の点眼が始まりました。

 

間を置いて1回目の点眼、2回目、3回目…

 

合計10回くらいかな。(うろ覚え)

 

途中で数えるのをやめました。

最後の点眼が終わるころには、受付をしてから1時間が経過していました。

 

ちなみに、ベガちゃんの登場は最初だけで

2回目以降は先生方が代わる代わる待合室を訪れて下さり

色々な種類の目薬を点眼してくださいました。

 

いよいよ手術…ではなく?

 

そんな怒涛の点眼終了後、ロッカーへ貴重品を預け、

上のフロアへ移動しました。

 

この時、貴金属を身に着けていたら外してください、と言われ

結婚指輪を外すも、手は大丈夫です、と言われました。

(ピアスやネックレスが対象だった模様。)

 

そこには、下のフロアより一回り小さな待合室があり

ここで手術後の説明書きが手渡されました。

 

手術後に必要な点眼についての説明や、

手術日当日にしてはいけない事、翌日、三日以降…

 

事前に説明はありましたが、手術日当日って洗髪も入浴も禁止なんですよね。

手術後当日なんて、PCも読書もテレビも運動も禁止。

時間のつぶし方がわかりません。

 

なんてことを考えていたら、名前が呼ばれ別室へ。

 

カーテンで仕切られた個室に、

ゆったりとした一人用のリクライニングチェアがありました。

 

そこへ座り、改めて手術中の話や手術後の話を伺います。

 

【手術中】

なるべく頭や体を動かさない事。(眼球が動くため)

目は固定されているため、瞬きをしても大丈夫ですが、

あまりキョロキョロしないこと(眼球が動くため)

目にライトが直接当たるため、ものすごく眩しくなりますが

なるべく一点をぼうっと見てください。

 

【手術後】

手術後は、寝る前に眼帯をしてください。

また、3種類の点眼が必要となります。

3~4時間置きに点眼をお願いします。

各目薬は混じらないよう5分程間をあけてください。

あと、飲み薬が2種類あります。

こちらの抗菌薬は1日3回、食後にお飲みください。また、

こちらは痛み止めです。痛みが出たら飲んでください。

 

えっ、痛くなるの…?

 

思わず、「痛みが出ることってあるんですか…?」

と、確認してしまったのですが、念のためだそうです。

薬の量も、3錠しか渡されませんでした。

 

説明が終わってから、また点眼が複数回ありました。

 

今までの点眼は、抗菌のためにー、瞳孔を開くためにー、

なんて説明だったのですが、今度のは違いました。

 

麻酔用の点眼です。

 

前日までは手術の恐怖に怯えていた私ですが、

当日には怯え疲れて逆に平常心でした。

 

それが今、「麻酔」という一言で

これから控える手術を肌で感じ鳥肌が立ちました。

 

「点眼後は目を閉じていてください」

 

先生からの指示で、点眼後に目を閉じた私は

暗闇の中で「盲目の漫談家濱田祐太郎氏の事を考えていました。

奇しくも昨夜、彼の動画をyoutubeで観ていたのです。

 

彼は楽しそうに生きているけれど、私はやっぱり怖い…。

なんだかやばいことが手術中に起きて両目とも失明したりして…。

それならせめて片目だけでも助かってほしい。

 

ああもう、怖い怖い!

とりあえず一旦キャンセルしてみる?

どうする?

 

 

【選択肢】

 暴れる

 落ち着く

→気を紛らわす

 逃げる

 

 

「すみません、ICLの手術って結構ここで受けられるんですか?」

(今思うと、ちょっと失礼にも聞こえる質問でした…)

 

「そうですね…今日だけでも三人程他に予約があります。」

 

この恐怖を…今日だけで私以外に三人も…!?

仲間だ…。みんな頑張れ!そして私も!

 

「それでは、隣の個室に移動します。」

 

いよいよ手術か…!?

 

いいえ、違いました。

 

「目の確認をしますね」

 

色々な角度で目を観察され、ライトアップされる私の眼球。

 

「それでは、目に印をいれます」

 

目に印?どういうこと?

うわわわ!

 

眼球に細い何かが触れました。(こわー!!!)

 

痛みはありませんでしたが、

毛筆で眼球をこしょこしょっ、と触られたような感覚がありました。

 

そして隣の個室に戻される私。脱力。

 

こうして何度目か忘れた点眼の後、

今度は使い捨てと思われる不織布の患者衣を身に纏います。

腰紐を締め、同じ素材の帽子も装着しました。

 

ちなみに、ここで前髪を留めるために使用していた貴金属(ピン止め)の取り外しを

お願いされてしまいました。(←痛恨のミス②)

 

とうとう、手術開始

 

フロア移動後、点眼等をしてくださった若い男性の先生(好青年)

エスコートされ、別室へ。

 

靴を脱ぎ、スリッパを履き、通された先は

 

手術椅子でした。

 

裸眼だったのでよくわかりませんが、

歯科でよく見るような検査用の椅子やライトや作業台があり、

私と先生方2名、計3名しか存在しない贅沢な手術室です。

 

頭が真っ白なまま、椅子へ仰向けになり、

身体に何やら布をかけられました。

 

「それでは目を洗浄しますので、右側に顔を傾けてください」

 

ばしゃばしゃ

 

「そのまま、右を見て、頭の方を見て、足の方を見て、左を見てー」

 

感覚としては、ホースで水をかけられているような感覚でした。

…ちょっと沁みました。

 

「それでは開始します。片目につき15分程お時間を要します。

まずは右目から開始していきます」

 

右目の部分だけ切り取られた、重みのある厚手の布(?)で顔を覆われ、

よくわからない器具で目のまわりを固定されました。

そして、ライトアップ。

 

ぎゃっ、眩しっ!!

 

「なるべく中心を見てください」

 

ぶじゅぶじゅぶじゅ

 

あふれ出る水のような音とともに、手術を開始しました。

ああっ、目に何かされている!

痛くはない、痛くはないけれど違和感!

今、私の目にコンタクトが挿入されている…!!

 

「それでは、これからコンタクトを挿入していきます」

 

まだ入っていませんでした。

 

ぶじゅぶじゅぶじゅ

 

水の音とともに、私の目に映るのはひたすら眩い光のみ。

次の瞬間、ものすごい眼圧が私を襲います。

これが眼球にコンタクトを挿入されている感覚か!

痛くはない、痛くはないけれど目に圧迫感がすごい!!

でも全然耐えられるやつだ!よかったー!

 

そんな安心感とは引き換えに、

体の硬直がとけることはありませんでした。

変な汗がでてきました。

 

やはり、手術は怖い…。

 

手術が終わり、目の周りの瞬き防止器具(私命名)が解かれ

顔の上に覆いかぶさっていた布が外されました。

 

あれっ、なんか周りの景色とピントがあっているような…?

 

「それでは、左目にいきます」

 

まだ片目だったかー…。

知ってました。

 

「それでは目を洗浄しますので、左側に顔を傾けてください」

 

(…以下省略)

 

 

手術終了後

 

左右の目の手術が終わり、手術椅子から身を起こした時

既に廻りの景色とピントがあっていました。

 

理屈としては当たり前なんですよね。

目にコンタクトが入っているのですから。

 

ただ、手術中に片目が覆われたまま、もう片目が眩しかったため

景色の明暗に少し違和感を覚えました。

 

そのまま案内されたのは、

ゆったりとした一人用のリクライニングチェアがある

カーテンで仕切られた個室でした。

 

あっ、手術前にいた場所だ。

 

「それでは、

目を閉じたまま30分程こちらで休憩してください」

 

この時間が一番長く感じました。

30分、何も出来ずにただ目を閉じているだけ、というのは

この上なく苦行でした。

せめて眠ければ…と思ったのですが、

術後の変な興奮で眠れるような精神状況ではありませんでした。

 

30分後、事前説明のあった薬や眼帯を渡されました。

 

その後、下のフロアで外出用に使う保護用メガネをいただきました。(無料)

三種類から柄が選べたのですが、私は女性に人気という言葉につられて

グレーの保護メガネを選択しました。

 

それから別室に呼ばれ

色々な角度で目を観察され、ライトアップされる私の眼球。(デジャヴ)

 

見てもらった結果、特に問題ないとのことでそのまま帰宅しました。

 

帰宅

 

手術中、目につけていた瞬き防止器具の質感が暫く目に残っていましたが、

そんな違和感も家についた頃にはすっかり消え果てました。

 

違和感なく見える景色に私は、

 

裸眼で目が見えるなんて嘘みたい!

 

ではなく

 

裸眼で目が見えなかったなんて嘘みたい!

 

と思いました。

小学生の頃からコンタクトレンズをつけていた私の記憶は

全て嘘であって、裸眼で見えている現状こそが私の全てとなりました。

 

さっしーは、朝起きた時に愛猫がはっきり見えることに涙したと言っていましたが、

私は見えなかった頃の過去を既に忘れました。 

 

あれはもう、前世の記憶なのです。

 

ここまで読んでくれている人へ

 

こんな長い文章をここまで読んでしまっているあなた。

あなたはもしかして、ICLを受けようか迷っていますか?

 

手術が怖くて迷っているなら、

手術前にもう一度後悔すると思いますよ。

めちゃめちゃ怖いので。

 

手術中も後悔すると思います。

痛みではなく、恐怖で。

 

背中を押してほしいのであれば、いくらでもコメントは思いつきます。

 

手術が怖い→手術中の痛みは全くありません。

お金が高い→長い目でみるとそうでもありません。

 

ただ、心配性の人は手術後に感じたちょっとしたことを

すべて手術のせいにしてしまうと思うので、向いていないかもしれません。

 

そもそも手術を受けなくても、少々不便なだけで

今までもこれからも変わらない日々が続くだけなので

強くお勧めするものでもないと思っています。

 

まぁ、術後数日にして私は今、とても快適ですがね!(どやっ) 

 

というか、大金払ってリスク背負って何のメリットもなかったら

不憫すぎますよね。ほんと何事もなくてよかったです。

 

 

追記:その後の記事です。↓

 

 

おわり。